“僕は昔から大江さんってとても不思議な作家で、どうもみんなが言っているように読めなかったし、大江さん当人が言っているようにも読めなかったんです。僕は大江健三郎は理知的な作家ではなくて、無意識の部分が多い天才だと思っています。それとは逆に、イメージと異なり中上健次は理知的な作家です。中上さんが悩んだのはそこだと思うんです。中上健次もすごく頭のいい人だったので、大江健三郎を読んで読んで読んだ。パブリックイメージだと中上健次が野蛮で天才肌で、太江健三郎さんは秀才で理知的となるけど、逆だった。そのことに中上さんは気づいてたし、だからこそすごく大江さんに突っかかったんだと思うんです。僕は大江さんは氷山みたいなところがあって水面に出ている以上に中に沈んでる部分が面白いんじゃないかと思います。”
— 再読:柴田さんと高橋さんの小説の読み方・その2 - 本と奇妙な煙 (via kogumarecord)